病気の話

睡眠時無呼吸症候群(睡眠時無呼吸低呼吸症候群)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群 Sleep Apnea Syndrome は、睡眠時無呼吸低呼吸症候群 Sleep Apnea Hypopnea Syndrome とも言われ、SASまたはSAHSと略されます。睡眠時に呼吸が止まり、大きないびきを繰り返す病気です。潜在患者さんは人口の1〜2%と言われています。
夜中に息苦しくなったり、何度も目が覚めたり、起床時に頭痛やだるさが出る等の症状も見られます。高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患、夜間突然死との関連も指摘されています。日中の眠気による交通事故、労働災害、仕事や学業の能率低下など極めて重大な社会問題を引き起こす病気です。チェルノブイリの原発事故、アラスカ沖のタンカー事故も居眠りが原因の一部と言われています。

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす病気・事故

SAS合併症

  • 高血圧症の発生が2倍
  • 冠動脈疾患の発生が3倍
  • 脳血管障害の発生が4倍

特に習慣性の強い
いびきがある場合

  • 心筋梗塞の発生が4倍

交通事故の発生率

  • 一般ドライバーの7倍の発生率があるといわれています。

検査方法

入院の必要ない、終夜睡眠ポリグラフィー検査を行っております。使用機器も、素人の方でも家庭で簡単に検査することができます。
さらに、耳鼻咽喉科が得意としている、上気道の検査も可能です。

スクリーニング検査

リストバンドで腕に巻いて就寝します。ブルーのコードは、酸素濃度と脈拍のセンサー、透明のチューブがイビキ音と空気流量のセンサーです。透明のチューブは、各人、消毒済みのチューブをお渡しいたします。

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フクダ LS-140

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  • 検査は健康保険の適応ですが、器械貸し出し時に保証金をお預かりすることがありますのでご了承ください。
    器械ご返却時に保証金を返金いたします。

耳鼻咽喉科からのアプローチ

はなの病気(鼻中隔湾曲症、肥厚性鼻炎、副鼻腔炎、鼻茸、アレルギー性鼻炎)、のどの病気(扁桃肥大、アデノイド肥大、喉頭炎、喉頭腫瘍、声帯ポリープ)など、空気の流れを障害している病気の有無をチェックします。これらの病気が、いびきや無呼吸・低呼吸に影響している場合もあります。これは、耳鼻咽喉科が得意としている「睡眠時無呼吸症候群」へのアプローチです。

内視鏡写真:咽頭の空間が肥満により狭小化しており、原因の一部と思われる。

SASの自己診断テスト「ESS(Epworth sleepiness scale)」

次の8つの状況での眠気を4段階で評価してみましょう。
合計が11点以上なら「睡眠時無呼吸低呼吸症候群」の可能性があります。

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状況 決して
眠くならない
まれに
眠くなる
時々眠くなる 眠くなる
ことが多い
座って読書をしているとき 0 1 2 3
テレビをみているとき 0 1 2 3
人がたくさんいる場所で
座って何もしていないとき
(例えば会議や映画鑑賞中)
0 1 2 3
クルマに乗せてもらっているとき
(1時間くらい)
0 1 2 3
午後横になって休憩しているとき 0 1 2 3
座って誰かと話をしているとき 0 1 2 3
昼食後、静かに座っているとき 0 1 2 3
運転中、渋滞や信号待ちで
止まっているとき
0 1 2 3
合計

治療方法

世界中でSASに対して効果が立証されている治療法がCPAP [シーパップ] 療法(※)です。
鼻マスクを装着して、鼻から気道に空気を送り込みます。「無呼吸」「日中の眠気」「いびき」が改善され、快適な生活が送れるようになります。

  • CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)

CPAP [シーパップ] 療法

CPAP療法は、基準を満たせば健康保険の適応となります。機械は、当院から貸与いたします。原則、月に一度は必ず受診してください。受診しない場合は保険適応が難しくなります。

フィリップス ドリームステーションAuto

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マウスピース(スリープスプリント)による治療

CPAPが向かない方には、マウスピースによる治療方法もあります。CPAPを超える効果を期待する治療ではありませんが、中等症以下の方に効果が期待できます。
当院など医科の紹介で、専門の歯科・口腔外科に受診し、相談して頂きます。基準を満たせば健康保険の適応となります。なお、AHI(※)は少ないものの、「いびき」が大きい方に、「いびき治療」として使用する場合もあります、この場合は保険適応外となる場合もあります。

  • AHI 無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index):一時間当たりの無呼吸低呼吸の回数

マウスピースの作成は、隣接する松永クリニック歯科をご紹介します。

当院とは休診日・診療時間が異なります。詳細は 歯科サイト をご覧ください。

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